Kiss Me Kitty! ~年下猫系男子とゆる甘アパート生活~
ツカサが彼女の涙に気づいたのは、戸崎が「泣かせちゃったよ?」とアイコンタクトを送ってからだった。
「なっ……なんで泣いてるんだ!?」
ギョッとして彼女と向き合おうとしたが、比菜子は「なんでもないっ」と言い捨てて彼を押し退け、暗い道へと走り出す。
「比菜子!?」
ツカサも咄嗟に後を追って走り出した。
引き止めようと「ツーくん!」と声を上げて絡み付いた有沙だが、彼の眼中にはなく「戻ってろ!」と無下に弾かれる。
いつもは通らない暗い道を走り出した比菜子には、町の喧騒は聞こえなくなり、やがて視界も闇に包まれていった。
(もう無理……自分がコントロールできない。ショックを受けちゃダメなのに……振り回されちゃダメなのに……!)
虚しさと切なさ、そして悔しさでいっぱいだった。