Kiss Me Kitty! ~年下猫系男子とゆる甘アパート生活~
「有沙がなんだって?」
「あの子と会う約束してたから、来るなって言ったんでしょ? 私と有沙ちゃんを会わせたくなかったから」
「約束なんてしてねぇよ。アイツが勝手に調べて突然来たんだ。まあたしかに、比菜子には会わせたくないけど……」
(……そうよね)
「でも俺が来るなって言ったのは──」
「いいよ。もう私には関係ないから」
比菜子は踵を返した。
暗さに目が慣れてくると、この道はちょうどつぼみ荘の裏だとわかった。
「比菜子? おい、待てよ」
「いいからもうバイトに戻って。店長さんきっと困ってるよ」
「泣いてた理由を教えろよ! 店長となに話してた!? なにかされたのか!?」
ツカサは歩き出した比菜子を追いかけ、右手を掴む。
彼女は振り向くことなくそれを振り払った。