Kiss Me Kitty! ~年下猫系男子とゆる甘アパート生活~
「嘘だろ……? こんな狭くて汚ねぇところじゃ眠れねぇし、飯も食えねぇし、風呂も入れねぇ。どうやって暮らせっていうんだよ……」
比菜子は、美男子がいきなり嘆きだす様子が少し面白くなった。
そして、玄関からビーズののれんで仕切られ隠されたこの部屋に限っては〝人が住めたもんじゃねぇ〟という状態ではなくDIYし尽くした快適なお城が広がっていることを、自慢したくてたまらなくなった。
「それなら、暮らせるように自分で変えればいいのよ」
玄関ののれんを分けて束ね、中を手のひらで指し示す。
ツカサは目の前に広がった光景に、長いまつげをパチパチさせた。
「これ、アンタの部屋……?」
「そ。素敵でしょ? 特別に入ってもいいわよ」
ツカサは初めて王宮へやってきたシンデレラのように目を輝かせ、靴下の足を一歩、中へと踏み入れる。
「お邪魔します……」という素直なツカサの反応が可愛いと感じた比菜子は、先程までのいがみ合いを忘れ「どうぞ」と内側へ招き入れた。