Kiss Me Kitty! ~年下猫系男子とゆる甘アパート生活~
ツカサは唇を彼女の耳に寄せ、
「……でかい声じゃ言えねぇんだけどさ」
と、吐息がかかる距離で小声で話す。
「な、なに?」
(近い近いっ)
平静を装う比菜子だが、突然の接近に体は硬直する。
不自然に肩が上がったまま、ツカサの言葉に耳を貸した。
「ここで食ってっていいのか? 言っとくけど、比菜子の飯のが数段美味いぜ」
そう囁かれた瞬間、比菜子の頬は熱くなり、思わずそこを乙女のように両手で押さえる。
(う、うそっ……! うれしいっ……)
「あ、ありがとう。でも今日はツカサくんを見に来たの。ご飯はついでだよ」
注文をとってもらったら、すぐに「ほら行って行って」と彼の背中を押し、キッチンへ戻るよう促した。
(はぁー……やばい。狙わずにあんなこと言うんだもん。ツカサくんのファンになりそうだよ……)
離れていくツカサのエプロンの結び目を見ながら、比菜子はわき上がる火照りを落ち着かせた。