Kiss Me Kitty! ~年下猫系男子とゆる甘アパート生活~
扉を開けたら、そこは──美男子でした。
(は!? なにこのキラキラくん……! ペルシャ猫? ヨーロピアン? クリストファー?)
「……こんにちは。向かいに引っ越してきました。早乙女ツカサです」
(喋った!)
比菜子は思わずひっくり返りそうになったが、どうにか堪え笑顔を作る。
「そうですか。わざわざありがとうございます。私は浅川です、よろしくお願いします」
「あの、これ」
比菜子よりほんの少し高い背丈の彼は、ほぼ同じ目線で手に持っていた紙袋をいきなり押し付けてくる。
「お菓子。食べてください」
「あー! これ、有名店の! 私好きなんですー! うれしい!」
受け取った紙袋にはアンティーク柄の四角い缶が入っている。比菜子は缶を取り出してうっとり眺めた。
(ふふふ、突然イケメンくんから高いクッキー貰っちゃった。なにこれ癒される)