Kiss Me Kitty! ~年下猫系男子とゆる甘アパート生活~
「な、なに。急に。なにもないよ」
「あるだろ。掃除とか洗濯とか、どっか行きたいところとか」
(掃除洗濯をツカサくんにしてもらうのはさすがに恥ずかしい……)
「あー……そうだね、じゃあ、仕事でけっこう肩とか腰とか凝ってるから、また一緒に銭湯にでも……」
「体凝ってるのか! よし! じゃあマッサージしてやる!」
「えぇ!?」
驚いて今度はお玉の持ち手が鍋の縁に落ち、カランと音が鳴った。
(マッサージ!?)
「ベッドに横になれよ」
そう言って目をキラキラさせながら親指でベッドを指差すツカサに、比菜子は心臓が暴れだす。
深い意味はなさそうなあどけない表情をしているが、その顔は紛れもなく美男子で、そばへ寄って「ほら」と差し出された手も骨が張っていて意識せざるを得ない。