Kiss Me Kitty! ~年下猫系男子とゆる甘アパート生活~

「あの、なにか?」

この住宅地に似つかわしくないお嬢様に、比菜子は首をかしげる。
後をつけていたことは間違いないらしくお嬢様は動揺していたが、やがて深呼吸をしてから、比菜子と対峙した。

「……このアパートに、ツーくんは住んでいますか?」

〝ツーくん〟という呼び名に、比菜子の胸は〝ドクン〟と音を立てた。

「えっと……ツカサくんのことですよね?」

「そうです。ツーくんが家出をしてしまったので探していました。家の者に調べさせて、やっとここを突き止めたのですが……」

(まずい。ご家族かな?)

お嬢様は比菜子に怪訝な視線を向けた後、それをそのままつぼみ荘へと移す。

「信じられません。ツーくん、まさかこんなところに住んでいたなんて……。離れの小屋よりも小さいです。それに、誰か建て直したり綺麗に補修してくださる方はいないんですか? とっても汚い」

つらつらと自分勝手な感想を述べる有沙に、比菜子はムッと口を尖らせる。

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