籠の中の鳥は今宵も熱い寵愛を受ける【完結】
――…
…
会社ビルのエントランスを歩いていると前方に藤沢千佳が見えた。
視界に入った途端に嫌な気持ちになる人はおそらくこの地球上で彼女一人だと思う。
歩くスピードを落として彼女に気づかれないように会社を出る。
絶対に彼女は私と目が合うと話しかけてくるからだ。
しかし運が悪いのか突然立ち止まり振り返る。
彼女に視線を送っていたから振り返られたら目が合うのは当然だ。
「はすみ先輩!」
「…お疲れさまです」
「今帰りですか?よかったら途中まで一緒に帰りませんか?私今日は“彼”とお泊りの予定なんです」
「私用事あるからいいよ。一人で帰って」
ええ~と猫撫で声かつ上目遣いを向けられてうんざりしているがこれを断ればおそらく明日にはまた変な噂を流されるだろう。
実際に今、夏子の話によると孝太郎の件で私が二股をして別の男に乗り換えたせいで別れたという噂が流れている。
正直どうだっていいのだが、この噂を流したのは藤沢千佳じゃないかと思っている。
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会社ビルのエントランスを歩いていると前方に藤沢千佳が見えた。
視界に入った途端に嫌な気持ちになる人はおそらくこの地球上で彼女一人だと思う。
歩くスピードを落として彼女に気づかれないように会社を出る。
絶対に彼女は私と目が合うと話しかけてくるからだ。
しかし運が悪いのか突然立ち止まり振り返る。
彼女に視線を送っていたから振り返られたら目が合うのは当然だ。
「はすみ先輩!」
「…お疲れさまです」
「今帰りですか?よかったら途中まで一緒に帰りませんか?私今日は“彼”とお泊りの予定なんです」
「私用事あるからいいよ。一人で帰って」
ええ~と猫撫で声かつ上目遣いを向けられてうんざりしているがこれを断ればおそらく明日にはまた変な噂を流されるだろう。
実際に今、夏子の話によると孝太郎の件で私が二股をして別の男に乗り換えたせいで別れたという噂が流れている。
正直どうだっていいのだが、この噂を流したのは藤沢千佳じゃないかと思っている。