籠の中の鳥は今宵も熱い寵愛を受ける【完結】
和穂さんのことはおそらく全社員が閲覧可能である社員用のHPに新人事として今日掲載されていたから彼のことを知っていても不思議ではない。
夏子も言っていたように、若くてイケメンということで噂になっているとのことだ。
「もう帰りなのか?」
「あ…そうですね。ちょうど今帰るところで」
「あぁ、そちらにいるのは…―確か、」
「私は、総務部の藤沢千佳です!今朝廊下でお会いしましたよね?覚えてますか?」
強張ったのは一瞬で彼女はすぐに前のめりになって和穂さんに媚びるような声と瞳を向ける。
その時初めて胸がざわついた。
いくら政略結婚とはいえ、これだけの地位も名誉も手にした男がモテないわけがないし、愛人の一人や二人いてもおかしくはない。
その“愛人枠”に藤沢千佳が入ることがないとは言えない。むしろ彼女が落とせない男がいるのか知りたいくらいだ。孝太郎だってそうだったのだから。
「そうだね、覚えてるよ」
「常盤専務ですよね!今朝お会いした時オーラが凄くてびっくりしちゃいました。これからよろしくお願いします!」
「うん、よろしく。それよりもはすみ、俺も今帰るから一緒に帰ろうか」
「…え?やっぱり知り合い…?なんですか」
「まぁ、」
千佳が私に顔を向けて“どういうこと?”と今にも言いたげに唇を歪めるが曖昧に返事をした。
「迎えの車が来ているから」
「わかりました…」
藤沢千佳と一緒に帰りたくない一心で私は頷いた。
夏子も言っていたように、若くてイケメンということで噂になっているとのことだ。
「もう帰りなのか?」
「あ…そうですね。ちょうど今帰るところで」
「あぁ、そちらにいるのは…―確か、」
「私は、総務部の藤沢千佳です!今朝廊下でお会いしましたよね?覚えてますか?」
強張ったのは一瞬で彼女はすぐに前のめりになって和穂さんに媚びるような声と瞳を向ける。
その時初めて胸がざわついた。
いくら政略結婚とはいえ、これだけの地位も名誉も手にした男がモテないわけがないし、愛人の一人や二人いてもおかしくはない。
その“愛人枠”に藤沢千佳が入ることがないとは言えない。むしろ彼女が落とせない男がいるのか知りたいくらいだ。孝太郎だってそうだったのだから。
「そうだね、覚えてるよ」
「常盤専務ですよね!今朝お会いした時オーラが凄くてびっくりしちゃいました。これからよろしくお願いします!」
「うん、よろしく。それよりもはすみ、俺も今帰るから一緒に帰ろうか」
「…え?やっぱり知り合い…?なんですか」
「まぁ、」
千佳が私に顔を向けて“どういうこと?”と今にも言いたげに唇を歪めるが曖昧に返事をした。
「迎えの車が来ているから」
「わかりました…」
藤沢千佳と一緒に帰りたくない一心で私は頷いた。