【完結】余計な愛はいらない。
抵抗する前にその人に腕を掴まれてしまったわたし。
そしてその時ーーー。
「おい。俺の女に何してんだ、お前」
その男の人の腕を掴んで助けてくれた人が、目の前にいた。
その人は背が高くてスラッてしていて、無造作にフワッとしたブラウンのパーマをした人だった。
「……あ?」
「聞こえなかったのか?俺の女に何してるんだ、と言ってるんだ」
その人の声は低めだったけど、その言葉を言われた瞬間に、ちょっとだけドキッとしてしまった。
「……なんだ、アンタの女なのかよ」
「俺の女に手を出そうとするとは、いい度胸してるな。 そもそもぶつかったのはアンタの方だろ?そうやって女を誑(たぶら)かして手を出そうって魂胆か?……やることが小せえな」
その男性がそう言った瞬間、その人は悔しそうな顔をして冷や汗をかきながら走り去っていった。
「……大丈夫か?」
そして困惑するわたしに、彼はそう問いかけてくる。
「あ……はい。助けてくださって、ありがとうございました」
わたしが彼にお礼をすると、彼は「気にするな。アイツが悪いんだから」と言った。