【完結】余計な愛はいらない。


「すみませんでした。……本当に、助かりました」

「……悪かったな。俺の女、とか言って」

 その人の言葉に、わたしは下げていた顔を上げた。

「いえ」
 
 きっとああ言った方が良かったのだと、判断したのだと思ったから。

「アンタ、大丈夫か?」

「……え?」
 
「疲れた顔をしているように見えるが」

 そう言われたわたしの顔を、彼は姿勢を低くしてのぞき込んできた。

「……あ、大丈夫、です」

 いきなり顔をのぞき込まれて、ちょっとビックリしてしまったわたしは、後退りしてしまう。
 その時、ヒールが躓きそうになってしまった。

「あっ……!」

「……おっと」
 
 そして彼は、わたしの背中を抱き込んでわたし自身を受け止めてくれた。

「大丈夫か?」

「あ、あっ……!すみませんっ」

 また助けてもらっちゃった……。

「……アンタ、いいニオイするな」

「え……!?」

 いきなりそんなことを言われたわたしは、再び困惑した。

「気に入った。……俺、アンタのこともっと知りたくなった」
 
 そう言われた瞬間ーーー。

「え……。んんっ……!?」
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