【完結】余計な愛はいらない。


 そのまま体を引き寄せられたわたしは、その彼にいきなり唇を奪われてしまったーーー。




✱ ✱ ✱ ✱


「んっ……あぁっ」

 不思議だ。さっき助けてもらった彼と、わたしはなぜか今、一緒にいる。
 それもなぜか、こうしてベッドの上でお互い服を脱ぎ捨てた状態でーーー。

「はぁっ……っ、あぁっ」

 わたしたちはお互いの名前も知らないのに、なぜかこうして抱き合っている。
 だけどそれは濃密で、甘さがあるのだ。

「ダメッ……。そこ、ダメッ……」

 と体をよじってみるけど、彼は意地悪そうな表情で「……ダメそうに見えないけど?」なんて言ってくる。

「ダメッ……なのっ」

「へえ……? そうなんだ」 

 なんて言われながら、わたしの体はベッドの上に組み敷かれている。
 そして彼の指や体に翻弄されながら、わたしはその甘く漂う理性に勝てそうにない。

 彼は快楽を求めてこうして抱き合っているのかもしれないけど、わたしにはそれでも良かった。
 寂しさを紛らわせてくれるなら、わたしはそれでも良かった。

 玲音との日々を思い出すだけで、泣きそうになっていたあの日からーーー。
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