【完結】余計な愛はいらない。
「杏実、抱いてしまった後でこんなこと言うのもあれなんだけど……。俺と付き合ってみない? もちろん、無理にとは言わない。信じてもらえないかもしれないけど、俺はセックス目的で言ってる訳じゃない。……本当に杏実のこと、知りたいと思ってるから言ってる」
そんなことを真剣な眼差しで言われたら、わたしはつい野瀬さんに甘えてしまいそうになってしまう。
「でもわたしたちはまだ、出会ったばかりだし……」
昨日初めて出会って、なぜか一夜を共にしてしまって、今わたしはここにいる。
野瀬さんは優しいから、わたしにこんなに優しくしてくれるけど……。それに甘えていいのかも分からない。
「確かにまだ出会ってばかりかもしれない。……けど俺は、杏実のことずっといいなって思ってた」
「……ずっと?」
ずっとって……どういう意味?
「実は俺も、杏実の行きつけのバーに行ってたんだ。……そこで杏実のこと見つけて、ずっといいなって思ってた」
そうだったんだ……。野瀬さんも、あのバーに……。
そんなの知らなかったわたしは、驚きを隠せなかった。
「杏実、俺と付き合ってくれる?」