【完結】余計な愛はいらない。


「んっ……。ね、もっと……して」

 掠れた声でそうねだると、彼は「仕方ないな」と呟き、わたしをそのまま抱き上げてすぐさまベッドへと向かう。

「杏実、もうこんなに濡れてるな」

「言わ、ないでっ……」

 恥ずかしい。だけど彼になら、体のどこを見られてもいい。
 彼の体は、今はわたしのものだから。

「体は素直だな」

 そう言いながら、わたしの胸を鷲掴みにしては、何度も口付けていく。
 そのたびに漏れてしまうのは、甘い欲情した声と吐息。 わたしは彼には、抗えないのだ。

「もう挿れていいよな?」

「うん……」

 恥ずかしくなる間もなく、彼のその欲情した体が、わたしの体全体に覆い被さっていく。
 激しく揺れ動くそのベッドのシーツが、お互いの体の激しさを物語っていく。

「んっ、気持ちいいっ……」

 その抗えない気持ち良さと欲望に、わたしはだんだんと意識が遠くなっていく。
 彼の体に抱かれることは快楽だ。気持ちよく夢を見られるような、いつもそんな気がしている。

「杏実……」

 彼に名前を呼ばれるだけで、快楽に陥る。
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