僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
時間にしたら30分くらいだったと思う。
入口のガードマンにお礼を言って二人並んで歩く。
会場出口まで送って、ホテルに帰るケイをタクシーに乗せた。
じゃあねって声掛けした後、ケイが車の窓から乗り出した。
「たまにlineしていい?変わってないよね?」
「うん、いいよ」
社交辞令なような会話でサヨナラを告げた。
***
次の日は日曜日で、昨日よりも入場者数が多い分より仕事に追われる。
まだ二回目とあってトラブルが起こりやすく、ご飯をまともに座って食べる暇もないほど時間に追われた。
疲れたー…
テントに戻り一人の空間に収まれば、まず最初にスマホを見る。
メッセージアプリを開けば、メッセージ③の表記。
この間は紫音だったし、今日はほのかな?なんて考えながら開けば、どちらでもなく、連絡は来ないだろうと思っていたケイだった。
”昨日はありがと”
”今日も暑いね”
”ボッチでも楽しい、いいイベント!”
『テレる、おれの企画じゃないけどね😝』
送ってから寝ようと思ったら、すぐ返事がきた。
”でも、寂しくなかったよ。祐ちゃんがどこかにいるって思ってたから”
「・・・・・・・なんなんだよ、今さら」
スマホを乱雑に投げ捨てて、ゴロンと横になる。
「ハァ―――…」
未だにこうやって君は、俺の心を乱すんだね。
でも、残念でした。
今の俺には紫音と穂香がいる。
はやく仕事を精いっぱいやって、胸を張って帰りたかった。
そうすれば、一人前の男になった気分になれるから。