僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
そっと、そこを離れた。

ケイはリュウに遊ばれたって言ってたけど、リュウはケイの事を追いかけて探そうとしている。

話を聞く限り、本人たちの意思とは関係なく事務所の意向で別れたっぽいよな。


セクシャルが音楽制作活動で不利になるって言うんだろうか?

まあ、っていうより、事務所がリュウの顔立ちの良さを使ってるっていったほうがしっくりくるか。

女性ファンを逃さない為にしか思えない。

ホントに商業ロックにさせられちゃったんだな。


仕事中でも、終わってからも
思うのはケイのことで。

テントで一人寝転んでは、ため息をつく。


想い合っている二人。

お互いを理解して好きあって、どんなことをされても嫌いになんかなれないって言ったケイ。


そんな二人が、このまま離れてもいいのか?

”もしリュウが、今でも好きだって言ったら信じる?”

ケイ宛てに送ったメッセージ。
返事はすぐに来た。


『うん、信じるよ』

”彼に会いたい?”

『会いたい』



何が正しくて、何がダメな事なのかなんて分からない。
きっと、俺がこれからすることは、仕事的には「やっちゃダメ」な事なんだろう。


「リュウさん、お客さんです」


でも、このままじゃ、いけないと思った。
想い合ってるのに、そんなの悲しすぎるとも。

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