僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~

あの二人を、ケイみたいに許せる?

許さないと・・・。
そうしなきゃ、恨む反動でまた底知れない暗闇に落ちそうで、恐い…


あの暗く底なしのような世界に行きたくないって思うのに、今のままじゃ許したくないって気持ちが大きくなって引きずられそうだ…。


今回、二人を失ったおれはどんな風になっちゃうんだろ?


”誰とも添い遂げることの出来ない人生”

その闇が、またやってきそうだった。


そう考えたら、急に心細くなって泣きそうになる。

それが一番こわいんだ。

孤独が、何よりも一番怖い…。


だから・・・助けて
いつも落ちる前に助けてくれたじゃん

お願い
助けて、———ハル・・・

助けてよ・・・・

”ハル‥‥助けて、ハル・・・”


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――……………


ザリ・・・ザリ・・・ザリザリ・・・・

ザリ・・・ザリ・・・ザリ・・・

ん?なんだ、この―――ザリザリは・・・


「んみやぁ~・・・」


ああ、猫か・・・

あ!猫!


目を開けたら猫が覗き込んでいた。

「ったー・・・びっくりしたーー」

「”アップル”おいで」

「なまえ、アップルって言うんですね」

「うん、こいつが起こして悪いな。朝飯食うか?」

「・・・・はい、ありがとうございます」

< 130 / 231 >

この作品をシェア

pagetop