僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
「勝手に調味料とか食器漁った、ごめん。食材は買ってきたけど」
「あ、いいんす。それよりすみません、こんなに作って貰っちゃって」
「ううん、俺の趣味で和食にしたけど、大丈夫だった?」
「はい、俺も和食派です」
ゴロゴロゴロゴロ~
「珍しい、もとの飼い主にもそんなことしなかったのに」
「え、そうなんですか?」
「うん、よっぽど気に入ったんだな、島崎さんのこと」
身体を擦り付けてきて甘えてくるアップル。
めっちゃ、かわいいな。
「この子と海外から来たんですか?———イギリスでしたっけ?」
「ううん、今はイタリア。アップルは成田で再会したの」
「そうでしたか」
「———血迷って一瞬だけ一緒に暮らした元カノがいたんだけど、一緒に飼ってたこいつを俺に押し付けてきたの。同棲する彼氏が猫アレルギーだとかってさ・・・。酷くね?」
「そうなんですね。———でも、捨てずに詩安さんに預けに来たのは幸いでしたね」
「まあ・・・ね」
「きっと、一番大事にしてくれるって思ったから、連れてきたんじゃないですか?ねえ?」
「にやぁ~」
あ、また返事した。かわいいな・・・・
「・・・・・・・・・」
「ど、うしました?」
なんかさ、詩安さん俺のことジーっと・・・見てなかった?
「…あ、いや、そっか、・・・そんな風に考えたことなかった」
「ああ、甘ちゃんだってよく言われます。そんな世の中甘くねーよって」
「いや、いいんじゃない?あざとく生きるより好感持てる」