僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
そう思って前向きに考えよとしてるのに、そう簡単に神様は俺のことを許してはくれない。
「島ぁ」
「はい」
「・・・・・・・・」
「何すか?」
「ちょっと、コッチ来い」
出社して間もない時間に主任に連れてこられたのは、ひとけがない喫煙室。
そこでタバコを吸いだす彼の横で副流煙に顔をしかめていた。
空気清浄機がブォーンと煙を吸い込み、少しだけましになる。
「あのよう、島」
「はい」
「やっちゃいけないことってあるよな?」
「はい…」
「俺らみたいなのはさ、”模範”にならなきゃいけんわけよ」
「————はい」
あの時のツケが、まわってきた。
直感でそうおもった。
「なのに、これはないぞ。」
「・・・・」
見せられたコピー用紙には「フェス関係者の実態」の見出しと、大物ミュージシャンと元恋人を密会させたS氏の文字。
更にはあの日少年たちにした言動は拡散されて、その投稿をみた違う人間が、危険区域に私用で入って行く俺を盗撮し、映像や画像をコメント欄にのっけたみたいだった。
危険区域に入った高校生を退場にしているにも関わらす、自らもそこに入っていくスタッフのずさんさが、いろんな専門家からの視点でありえないと書かれている。
「上部の決定は…まあ――――クビって事だな。音楽事務所からもいろいろとあって、ただじゃすまなそうなんだ。お前は、自主退職ってことで上はそれ以上責任を問い詰めないって言ってる。ある意味、その方が良かったのかもしれないな」
「ーーーーはい」
「主催側に不信感もたせるような仕事すんなよ、お前ひとりの勝手な行動で、この会社全体の信頼がガタ落ちになるんだぞ」
「はい、すみませんでした・・・」
「本当に、バッカ野郎め!・・・ハァ・・・。ちゃんと辞表書けよ」
「————はい…」