僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
こうやって来たのも何かの導きだ。
あの週刊誌の記事が出回ってしまう前の方がいいに決まってる。
マンションに上がらせてもらう。
あれからもこの二人はこのベッドで愛し合ってるんだろうなって思ったら吐き気がする。
ベッドをなるべく見ないようにして、大事なものだけカバンに詰めた。
「あとの荷物は平日の昼間に片します。そのとき鍵も置いていきます。それでいいですか?紫音先輩」
「ああ・・・」
「それじゃ…。えーと、もうはなし、無いよね?あります?」
一応―――確認
「そんな冷たい言い方ないよね?祐くん?―――紫音くんはさ、本当に苦しんだんだよ?悪いのは祐くんでしょ?」
それを俺に言ってくるんだ。
あんだけ好きだ好きだ言ってたくせに。
愛のパワーって、凄いよね。
ってかさ、これは穂香が望んでいた結末だろ?素直に喜べばいいのに、何でおれが責められるの?
・・・・なんてのは、思ってるだけで到底口に出す気はないよ。
第一、こんなクズでどうしようもない俺にそんな権利はない。
「うん、二人とも、すみませんでした。———おれは、あなた達を傷つけるだけの存在です。————お二人で―――どうかお幸せに」
お辞儀をする
俺がこの人たちから貰ったものは大きかった。
暖かな陽だまりと
暗闇でも星が煌めく夜
「ほ、んとうに・・・お世話になりました。ありがとう・・・」
その思い出は一生わすれません