僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
ココに未練ある?
「アイスでいいですか?」
「いや、ホットで、砂糖多め」
「はいはい」
甘党・・・
自分にはブラックのアイスコーヒー
詩安さんにはホットの甘いコーヒーにミルクも追加した。
テーブルに置いて、お菓子のパッケージを開け二人でサクサクと食べる。
「二号店、本当に断ったんですか?」
「うん」
「そうでしたか。———詩安さんテレビに出ていましたよ」
「うっそ、出てた?」
「はい、メイクアップアーティストの”Rena”さんがSNSに投稿した中に詩安さんが映ってました」
”隣の美青年は何者?” ”かっこよすぎる!!” ”モデル?”
たちまち話題になってリツイートされまくってたらしい。
それが情報番組の”話題の人”に選ばれるくらい。
「麗奈さんあげちゃったんだ?もう、勝手な人だな」
「知り合いだったんですか?」
「うん、母ちゃんの友達。小さい時からのよく知ってるおばちゃんなんだ」
「・・・おばちゃんって言うには若いですよね」
「ううん、父ちゃんと同い年だから56だよ」
「(父ちゃん?)56?・・30代でも信じますね、俺は」
「まあ、美魔女みたいなもんだからな、あの人は」
ポリポリと食べるお菓子。
パッケージを開けるたびに傷ついた手の甲が視界に入る。
「二号店って麗奈さんのお店ですか?」
「まさか、若い時にお世話になった人だよ。それがさ詳しい内容聞いてみてやっぱ断って良かったと思ったよ。店こっちに出すつもりでいたんだって」
「こっちですか?北海道じゃなく?」
「そう、ずりーよな?自分はのほほんと北海道で働いて、俺はこっちであくせく働けってことだよ。もうふざけんなって感じだよ、断ってよかったわ」