僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
あれからまだ半年も経っていないんだな…
お互い日本で仕事をしていたのに、イタリアでこうやって会うなんて不思議な感じ
「会ってく?もうすぐ出発しちゃうけど」
「いいですよ、よろしく言ってといて下さい」
「うん――――。———…いろいろとすまなかったな」
「————いいですってば」
「ありがとう、本当に」
「———リュウさんは?音楽もうやらないんですか?」
「今はさ、変にヒーロー扱いされてるんだ。海外からのギグも結構来てる。————でも、ここで調子にのりたくねーし、もうちょっと静まってから、密かに活動再開するつもりなんだ」
「———そうですか、再会したらライブ見に行きます」
「うん、待ってるよ」
バタバタと機材を積み込んでバスは出発していった。
窓越しに一瞬だけケイが見えたけど、お互いに何もアクションしないままバスが走り出していった。
「慧君に会わなくて良かったの?」
「うんいい。こういうツアーは出演が終わったらすぐにでも次の場所へ行かないと大変だからね」
「よく知ってるんだね」
「場所は違えど、同じような環境で仕事をしていましたから」
つい最近の事だったのに、遠い昔に感じられる。
それがどこか寂しかった。
だるい会議も多かったけど、いざ始まれば学校祭みたいに楽しかったな。
高校の時、不幸のどん底だって思い込み、自分から捨ててしまった高校生活だったから尚更、イベント業が楽しかった。
幼馴染たち数人も同じ高校に入学したっていうのに、自分から棒にふって青春時代をなきものにしてしまった。
大人になってからもっとちゃんとしておけば良かったと思っても時間は帰ってこない。
切れてしまった友達との縁も、もう戻らないんだ。
「さっきのライブハウス、スタッフ募集していたよ?働いてみたら?」
「————そうですね、それも良いかもしれませんね」