僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
「詩安はどうやって就労ビザとってるの?」
「うん?ある大きなグループ組織の『研究員』———」
「え?美容師じゃないの?」
「って事になってるの」
「え?不正ですか?」
「ううん、本当に研究員としてその組織の会社に赴くよ?データも送ってるし」
確かに家でカチャカチャとパソコン作業している時がある。
「————何の研究ですか?」
「ん―――気象関係かな――?」
「曖昧ですね、本当ですか?」
「うん、まあまあ―――。俺と結婚したらその扶養家族って事になるよ?」
「ーーーーーーまあ、ゆっくりと考えましょうよ」
「島くんはゆっくりが好きだね?」
その色気を纏った言い方…反射的に恥ずかしいことを思い出しちゃうよ。
反射的に顔が赤くなる俺を、詩安はナデナデしながら面白がっていた。
誰かと結婚するとか、そんな夢みたいなこと考えたことなかったけどさ、この人とならってその先をって想像できる。
「詩安はイタリアに住み続けるの?」
「ううん、もう少しねある男からの『罪滅ぼし』の恩恵を受けてから、最終的には日本に帰りたいと思ってる」
「(ある男?罪滅ぼし?)———そう」
疑問に思うこともあるけど、話し出すまで基本スルーするタイプなおれ。
部屋に帰ればアップルがすり寄ってきた。
「ただいま、お留守番ありがとうね」
「みやぁ^^」
「アップルはいいなぁ、島くんに愛されて」
そんなことない
詩安の方が断然好きなのに
「詩安、好きだよ?言ったことなかったっけ?」
「———毎日言って、忘れちゃうから」
「え、はずかしいけど・・・頑張る」
「ん、頑張って」