僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~


俺の疑いが晴れて暫くすれば、また夜遅くに帰ってくる。


「・・・今日もいないのか…。なあ、お前あいつどこ行ったか知らないか?」

「・・・・・・・・」

林檎が連れてきた猫は、愛想がない。

自分の世界に入ってくるなって感じ。

それは、連れてきた林檎も同じこと。

”腹減った””ドア開けて””散歩行きたい”
何かの用事がない限り、飼い主にすり寄ることはなかった。


そんなこんなで俺は何とか国家資格を習得して、人気店で働きだした。

朝早くから同期たちと練習し合って、閉店後も腕磨きに務める日々。

学校へ通っている時より、更に忙しくなった。


そうなれば、林檎に会う時間はほとんどなく、俺が帰ったら寝てるか後から帰ってくるか…。

寝ている時はご飯を作ってくれたりもするけど、いない時は自分で作る。


でも、その日は夏真っ盛りなのもあって、キッチンに立ちたくなかった。

三食きっかり食べろって教えられて育った俺は、食べないと寝れない。

仕方なしにコンビニに向かっていけば、駐車場に止まってる車に目がいく。

うわ・・・夜中とはいえ・・、キスしてるよ・・・

と呆れたのもつかの間。

その助手席で座っていたのは、林檎だったんだ。




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