僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
「俺そういうの分かんない。気持ちは俺って言われてもな」
「だって・・・寂しかったんだもん」
「だからって他の男と寝たらそれが紛れんの?」
「とりあえずは」
紛れるのかよ・・・。もうなんだか分かんないし、こいつの次元も俺の世界と違う気がする。
「俺はもうより戻す気はないから。アップルに宜しく言っといて、じゃあ」
「ええ、詩安君!」
腕を掴まれてサブいぼがたつ。
「みてこれ。もう精神的に無理なんだって。もう抱こうと思わないし、触れられたくもないから」
「・・・・・・・」
悲しそうにしても何も思わなかった。もう、林檎に対して感情が乱れることはないくらい冷めきってしまったんだ。
それは、林檎に対してか・・・世の中の女に対してなのか・・・。
どちらにせよ、自分は女という生き物につくづく縁がないのだなって思わされた。
あのレイカって女が姿を現したのは、すっからかんになってしまったマンションで細々と家電を買い集めている時だった。
「先日はどうもありがとうございました」
「・・・いいえ、元気ですか?フレミングさんは」
「ええ、紗子さんと正式に籍をいれて水を得た魚のように奮闘しています」
「そうですか・・・。で、用件は?」
「はい。大変な目に合われていると、知らせを受けたので様子を見るようにと当主から言付かってきたのですが・・・・確かに、大変そうですね」
林檎と別れてから数ヶ月経ったある日のこと、紫音から焦ったような電話が入った。
”家の中、空っぽ。なーんにもない”って…。
家電をはじめ、現金類も無くなっていた。
林檎はそんなことをしないって思ってたのに・・・。
合鍵の他に鍵を作ってないかを問い詰めたらよかったと後悔しても、もう遅かったんだ。
あのアパートはもぬけの殻で、地元の奴ら情報であの街に帰ったと知った。
「あなたには何かとお世話になりましたので、できるだけのことをしたいと言っているんです」
その言葉に素直に甘え、家具を新調してもらい紫音のご機嫌をとることにした。
「それとですね・・・、ヨーロッパの方で働く気はないですか?」
「は?」
「我が社の地方研究員として働きませんか?赴く場所はお好きなところをお選びいただけますよ?――――たとえば・・・お仕事は一日数時間、在宅で出来ますので、他の仕事をしながらというスタイルでも可能なのですが・・・」
「なんですか・・・その怪しい仕事は」
「現当主があなたに何かしたくてたまらないのですよ‥‥。貴方が紗子さんのそばに居てくれたから、曾孫に会えたのだと」
「そうですか・・・」
「それに、ここに貴方がいてはまた同じことが起きかねません。しばらくの間こちらの方で警備も強化します」
「・・・それは有難いです…。紫音を守ってやって下さい」
誰かと歩む人生を諦めた俺は、日本を抜け出し仕事に生きることを決めたんだ。