僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
仕事は楽しかった。

日本とは違う風景や、古いものを大事にする文化が新たな発想を助長してくれる。

何よりも人付き合いがあっさりとしていて後腐れなくてもいい。

日本人みたいに感情を濁す文化がないから、自分の何がダメなのかをはっきりと伝えてくれるし、変な深読みしなくていい分、仕事がはかどった。

ハッキリ伝えてくるからといって、皆が冷たい人間とは限らなく、そこには俺への期待を含めた言い方も忘れずかけてくれる。

そんな優しさもなんだか嬉しかった。


暫くは仕事に熱中していれば時間は過ぎていったけど、散歩やドライブに飽きてくれば愛が恋しくなる。

もう諦めたはずだった。日本を出るときに、もう女はこりごりだって。


でも、人間は愛がないと生きていけない。

愛があるからこそ、日々の暮らしが意義あるものへと変わっていくんだって、光景を何度も見てきた。


特に、寒い国を好んでまわっていた俺はそんなことに気づかされる。

ここは日本と違って愛のかたちが様々だった。

必ずしも男と女ばかりが愛を育むわけではない。

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