僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
真っ直ぐに島くんのところに帰りたかったけど、気持ちを落ち着かせるために実家に寄った。
「おお!気が利くな!俺の好きな白い恋びーーー」
「ぶ~、父ちゃんにはこっちでした~」
「三方六か、こっちも好きだからよかった」
「まったく、ジン君に嫌いなお菓子ってあるの?ありがとう、詩安。かあちゃんが唯一食べれるバームクーヘン買ってきてくれて」
両親は相変わらず。
母ちゃんの方が4つ下なのに、父ちゃんよりも精神年齢が上だった。
母ちゃんは俺の右手の拳が切れているのを見つけ、北海道で誰を殴ってきたの?って心配そうに聞いてきて返事に困ったけど、何とか誤魔化した。
新たな実家になった山奥のログハウスで、静かな木々の声を聴く。
ゆっくりと、島くんのことを整理していった。
島くんは、想いを寄せている男がいる。
そう紫音に言われたけど、俺はそんな事どうでもいいと思った。
そればかりか少しの希望も見えたんだ。
男も恋愛対象に入るんだって、分かったから。
じゃあ、俺が頑張れば好きになってもらえるってことだろ?
そう思えば、不安なんて吹っ飛んでいく。
アパートに帰り島くんを説得しつつも軽く告白した俺。
それから、俺にとって幸せの連続だった。
異国に連れて行けばなおのこと、俺しか頼りがない島くんは、俺との時間しか無くなる。
そうやって独占的に彼を自分のテリトリーに囲って置けるのが、何より幸せで彼も日夜穏やかな表情をしていた。