僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
「ねぇ、ユウ君。これから二人でどっかいかない?」
あらら・・・やばい。
カラオケが終わって、次どこにいく~?とか言いながらプラプラと歩いてた。
先を歩く先輩と、その腕を組んでいる女の子と離れるようにスピードを緩められたと思ったらそう言う事か…。
紫音先輩と消えたいからこう仕組んだんだろう。
何となく二人で目配せしていた。
「ムリしなくていいよ?さよちゃんに頼まれたんでしょ?」
「それもあるけどぉ―――…ゆみね、ユウくんと二人っきりになりたいの」
ああー…参ったな。
キスとかで誤魔化すことは何度かしてきたけど、そっちはちょっとな…。
つーか聞き方がダイレクト過ぎないか?普段からこんなストレートに誘ってるんだ?
そうとう遊んでんだろうな。
俺は女子にしては少し背が高いし、見た目も男に見えるけど、脱いだら女だし、この子が求めていること、きっとしてやれないのに。
「そういうの、なし。」
「・・・なしってなぁに?いいでしょ?どっか入ろ―よ~。ゆみが祐くんのしてほしい事、ぜーんぶしてあげるからぁ、ねえ?いいでしょ?」
困ったな・・・
なんとなく先を歩く紫音先輩に視線を送ったら、振り向いて気づいてくれた。
今にもキスしそうなくらい顔を近づけているゆみちゃんに眉を寄せ、つかつかとこっちにやってくる。
「ちょ、ちょっとぉ!紫音くん!」
ひき戻る紫音先輩の腕を離さまいと掴んだまま、数歩後ろ歩きしていたさよちゃんは、つまづいてお尻を打っていた。
「きゃあ!―――もう、なに~?痛いんだけど!」
「うっせーし。露骨なんだよ、去れよ、ブス!」
ああ、言っちゃった・・・・。
「なによ~!あんたらもそのつもりだったでしょう!?」
カップリングは決裂・・・。
元の2:2で向かい合う。
「ぜんっぜんねーし。おれら、門限12時だから、帰るわ。なあ?ユウ」
「あ、え?―――ちょっと」
女の子がブーイングする中、先輩は俺の手を取って歩き出す。
そうすると、その子たちの声が急に静かになって、ヒソヒソ声が聞こえてきた。