僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
「———これからはちゃんと帰ってくるから・・・。何も言わずにいなくなってごめん」
「—————っとだよ、ボケ!」
そのまま体が離れたと思ったら、おでこにデコピンをくらった
それがすっごく痛くて、ベッドに倒れこむ。
少しくらい加減しろよ!仮にも告白した相手だろうが!
「行くぞ!」
「は?どこに?」
「おめえのばっちゃまのところだよ」
せかされて家を出る。
けど、母さんに留守番頼まれていることを思い出した。
「母さん鍵持ってってないかも」
「母ちゃん持ってった。俺が連れだすからっていったら」
「———そう。・・・もしかして、ばあちゃんに会いに行ってたの?」
「当たり前だろ?お前のばっちゃまにどんだけ世話になったと思ってんだよ」
「そうか、———ありがとうね」
素直にお礼を言えば、恨めしそうに睨んできて、足早に歩き出すから慌ててついていった。
なんかこの感じ、高校生の時みたいだな。
あの時から、俺は時間が止まってるから、余計にそう思う。
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「ゆう!帰って来たのぉ?アメリカはぁ、どうだった?」
俺の留学先【仮】は、アメリカか―――‥‥
広すぎるから、どの辺にすればいいのかわからない。
「海が綺麗だったよ?」
「ふぅーん、そうかいそうかい―――。急に行ってしまうんだものねー。行く前によってくれりゃいーのにぃ」
「うん、そうだね、ごめん、ばあちゃん」
ばあちゃんはずっとにこにこしてて、いろいろ質問をしてくる。
そのたびに嘘をつき続ける俺を、ハルは可笑しそうに見ていた。