僕らの恋愛事情【完】 ～S・S更新中～

「ってかさ、ほとんど知らねーバンドなんだけど」

「それは、社長が各地からそこそこのバンドを集めたんだよ。中には自分たちでイベント組む田舎バンドもいるから、営業ライブに呼んでもらう目的だろ？」

「へっ、ばかみてぇ」

「それが社長の売り方なんだ、文句言うな」


どおりで、出演者の中に彼らと連絡が付くやつ探しても居ないわけだ。
「お前のファンの高校生バンドも、社長が募集かけたんだ。好感度上げるためにな」
「・・・・・・・・・」

「話題作りの為に、少しでもいいから、ステージ脇から見てやってくれよ、いいな？」
「・・・・・・・・・仲良し青春バンドかよ」

「いい加減にしとけよ、お前らみたいなバンドなんて腐るほどいるんだからな。デビューなんて、そのルックスで決まったようなもんなんだぞ。真面目にやんないと、ここで終わりだからな」

「・・・・・わーったよ」

これ以上聞くのは、なんだか悪い。
人間的にどうかと思ってたけど、事務所側にも原因あるな。

商業ロックか。
身も魂もないバンドにさせられて、見た目な重視なイメージをぬぐいきれなくなるんだ。
ほとんど、詐欺に近いと思う。

これで芽がでなかったら、違う仕事を振り当てられて、雑用とかするんだろうな。