僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
開演してからは慌ただしくなって、目の前で小さく起こる問題を解決することに追われてゆく。
インカムから入るスケジュールの時間と、実際の時間がずれて焦っていた。
――――――――――――そんな中、目を疑った。
入ってくるお客を誘導している時に、よく知った顔があって目を見開く。
そこには、壁に貼られたこのライブのポスターを指さしながら楽しそうに話してる
紫音先輩とほのが居た。
二人に見つからないように脇にそれて、関係者立ち入り禁止のドアを開けて、楽屋の通路に入る。
とっさに隠れてしまった。
二人は何も悪いことしているわけじゃない。
二人きりはダメって、あの二人には当てはまらないじゃん。
その他大勢にまみれて二人きりの空間でもないしさ…。
それなのに、おれ、なんでこんなにショック受けてるんだろ?
二人は、どこからどう見ても、恋人同士にしか見えなかった。
自分は、今度こそは邪魔なのかもしれないって、さっき思ったけどさ…。
やっぱ・・・嫌だ
嫌だ嫌だ
せっかく、見つけたのに
せっかく、自分らしく居られる居場所を見つけたのに
またケイの時のように居場所を失うなんて――――耐えられる?
失いたくない
だから、答えが出せなかった。
それは、二人の為じゃなく
全部、自分の為だったんだ。