僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
「行けば」
「—————え?」

「行けば、”はる”のとこ。走ればまだ駅の手前ぐらいじゃない?」


「・・・・・・・・・・・・」


でも、そんないい男だってわかるから

「行きません」

俺は彼を選べない。


だから・・・
すみません、先輩。


「俺と一晩過ごして貰えませんか?」
「・・・後悔しないか?」

「はい」

あなたを汚すことを、許して下さい。



***

「ユウ、起きろ」

「ん・・」

「朝飯、食べるだろ?」


目をこすりながら起き上がって、まず視界に入ってきたのは紫音先輩の色気をまとったままの顔。

その、好意を抱いてくれている顔つきに、心臓がドキリとする。


「・・・はい、食べます。先輩、ありがとうございます」
「敬語やめて。昨日も言ったけど先輩呼びもね」

「・・・・うん」

満足そうに頷くせんぱ――…紫音に軽くキスされて、手を引かれてついていけば、和食の朝ごはんが小さなテーブルに飾られていた。

美味しそうなのはもちろん、色や形、彩もよくて食欲がわいてきた。

「凄い…」
「さあ、食おうぜ」

「はい・・・あ、うん・・」

急に敬語辞めるとか難しいし…。
間違えたら咄嗟に責めるような目線をよこしてくる先輩。

でもさ、すぐには長年の癖は抜けないよ。

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