エリート弁護士は契約妻と愛を交わすまで諦めない
「俺、スニーカー欲しいんだよな」
思わず俯きかけた時、朔が言い出した。顔を上げると、彼が通りの向かいにあるスポーツ用品店の看板を指差す。
「柚もスニーカー持ってないよな?どうせならおそろで買おうぜ」
「え、ちょっと朔!」
ぐいぐい手を引かれて歩き出す。店内で何十足もある中からスニーカーを選び始める。あーでもない、こーでもないと言いつつ、最終的にふたりでお気に入りを見つけた時はテンションが上がった。
朔の宣言通りおそろいのスニーカーを買い、その次に私の服を見回った。
間にちょこちょこと休憩を取ってくれたり、お昼はフードコードでそれぞれ食べたいものを頼み、私が食べきれないものは朔の胃袋に収納された。こういう時によく食べる人と一緒だと助かる。
そうして、お互いの買い物を済ませて帰り道が混雑する時間を見越して早めにアウトレットを出た。
神奈川県に入ったところで朔が「寄りたいところがあるんだけど」と言い出した。私はもちろん予定なんてないから軽く了承する。そうして車が止まったところは海だった。
「うわ、懐かしい」
しかも、子供の頃よく来ていたところ。朔が夏休みの間だけこちらに帰省していた時には私の親に毎年連れてきてもらった。
「夏が過ぎたら閑散とするもんだな」
太陽が夕焼け色に染めあげた空と海を見ながら朔が言う。浜辺には私たち以外犬の散歩で通る人くらいしかいない。夏の海水浴客で賑わう光景を知っているからこそ違和感があるけど、この風景が本来の姿なのだろう。
「朔、貝落ちてるよ」
「お前、昔から貝殻拾うの好きだな」
「だって、綺麗じゃん。あ、ここにもあった」
「あんまりそっち行くと波かかるぞ」
砂浜で貝を拾う私に朔が手招きする。海風を受けて立つ朔の元に戻って貝を見せると仕方ないなという感じで笑われた。
ふたりで夕日を少し見て帰ろうと防波堤に腰かける。海風が少し冷たい。せっかく持ってきたトレンチは車の中だ。
しまったなと思った時、朔が自分のブルゾンを肩にかけてくれる。
「朔が寒くない?」
「俺、平熱高いから。それより今日、疲れた?」
「うーん、ちょっとだけね。でも、一日出かけてこれだけ元気っていうの久しぶり。ありがとう」
「いや、俺が買い物したかっただけだし」
「ふふ、でもありがとう」
私が礼を言うと朔はちょっと居心地悪そうにする。昔からそうだった。照れた時どんな顔をすればいいのかわからなくなるんだそう。そういうところが可愛くて好きだった。またひとつ変わっていないところを見つけるたび嬉しくなる。
頬を緩ませた私の前に朔が手を差し出してくる。いつのまに持っていたのか手のひらの上には立方体の箱。紺色の箱にロイヤルブルーのリボンがかけられている。
思わず俯きかけた時、朔が言い出した。顔を上げると、彼が通りの向かいにあるスポーツ用品店の看板を指差す。
「柚もスニーカー持ってないよな?どうせならおそろで買おうぜ」
「え、ちょっと朔!」
ぐいぐい手を引かれて歩き出す。店内で何十足もある中からスニーカーを選び始める。あーでもない、こーでもないと言いつつ、最終的にふたりでお気に入りを見つけた時はテンションが上がった。
朔の宣言通りおそろいのスニーカーを買い、その次に私の服を見回った。
間にちょこちょこと休憩を取ってくれたり、お昼はフードコードでそれぞれ食べたいものを頼み、私が食べきれないものは朔の胃袋に収納された。こういう時によく食べる人と一緒だと助かる。
そうして、お互いの買い物を済ませて帰り道が混雑する時間を見越して早めにアウトレットを出た。
神奈川県に入ったところで朔が「寄りたいところがあるんだけど」と言い出した。私はもちろん予定なんてないから軽く了承する。そうして車が止まったところは海だった。
「うわ、懐かしい」
しかも、子供の頃よく来ていたところ。朔が夏休みの間だけこちらに帰省していた時には私の親に毎年連れてきてもらった。
「夏が過ぎたら閑散とするもんだな」
太陽が夕焼け色に染めあげた空と海を見ながら朔が言う。浜辺には私たち以外犬の散歩で通る人くらいしかいない。夏の海水浴客で賑わう光景を知っているからこそ違和感があるけど、この風景が本来の姿なのだろう。
「朔、貝落ちてるよ」
「お前、昔から貝殻拾うの好きだな」
「だって、綺麗じゃん。あ、ここにもあった」
「あんまりそっち行くと波かかるぞ」
砂浜で貝を拾う私に朔が手招きする。海風を受けて立つ朔の元に戻って貝を見せると仕方ないなという感じで笑われた。
ふたりで夕日を少し見て帰ろうと防波堤に腰かける。海風が少し冷たい。せっかく持ってきたトレンチは車の中だ。
しまったなと思った時、朔が自分のブルゾンを肩にかけてくれる。
「朔が寒くない?」
「俺、平熱高いから。それより今日、疲れた?」
「うーん、ちょっとだけね。でも、一日出かけてこれだけ元気っていうの久しぶり。ありがとう」
「いや、俺が買い物したかっただけだし」
「ふふ、でもありがとう」
私が礼を言うと朔はちょっと居心地悪そうにする。昔からそうだった。照れた時どんな顔をすればいいのかわからなくなるんだそう。そういうところが可愛くて好きだった。またひとつ変わっていないところを見つけるたび嬉しくなる。
頬を緩ませた私の前に朔が手を差し出してくる。いつのまに持っていたのか手のひらの上には立方体の箱。紺色の箱にロイヤルブルーのリボンがかけられている。