エリート弁護士は契約妻と愛を交わすまで諦めない


そこからはほとんど私の話になってしまった。朔とは幼馴染だったこと、久しぶりに再会して気心が知れた仲なのですぐに結婚に至ったこと。
要所要所を掻い摘んで話したら、「いいなぁ~ロマンチック」と羨望の声が多数飛んできた。質問も飛んではきたけど、土曜ともあって予約が立て込んでいるから予定通りの時間で席を立つことになって助かった。会計をしようとレジ行くと、スタッフの男性が微笑んで首を横に振った。
「工藤様からお代はもういただいております」
「え?」
「奥様のご友人のお祝いの席に水を差してしまったからと。皆様にもよろしくお伝えくださいとおっしゃっていました」
アレクさんを押しながら出ていったとばかりに思っていたから、支払いを持ってくれていたことに驚く。
「パーフェクト男子!」
「だよね!見た目も中身もスマート!」
「ねぇ、旦那さんの友達でフリーの人いたら紹介してって伝えておいて」
「う、うん」
知佳と真美は絶賛し、奈々子は私の肩をガシッと掴んできた。
真美たちに続いてお茶をしようと誘われたけれど、朔と待ち合わせがあるから断った。また後日私のお祝いをしようと言ってくれたことには嬉しくてありがたく約束をした。
みんなと別れて、ホテル前で立っていると通りの向こうからやってくる人物に気づく。
やっぱり来ると思った。

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