エリート弁護士は契約妻と愛を交わすまで諦めない
朔が甘えるように顔を動かしたら、彼の額が首筋に当たる。ドキッと心臓が弾んだと同時に違和感を覚えた。
「ちょっと、朔、熱くない?」
「んぁ?別に」
「うそ、おでこ熱いよ!」
彼の顔を手で挟んでぐいっとこちらに向ける。朔の目がどことなくとろんとしているのは、熱からくる倦怠感のせいだろう。
「と、とにかく早く寝て!早々に寝て!」
「大声で二回言わなくても」
慌てて朔の手を引いて彼の部屋へ連れていく。初めて入る彼の部屋。ベッドがあって、奥にデスクと本棚がある。モノトーンで纏められた、シンプルな部屋。朔らしい。昔の彼の部屋とどことなくイメージが被った。
「体温計は?」
「ない」
「ない!?」
朔がこくりと頷く。そうか、男の一人暮らしだと、体温計なんて買わないかもしれない。それならばと私はくるりと身を翻した。
「私、ちょっと買ってくる!」
「いいよ。もう夜だし、寝てたら治る」
「すぐそこの薬局だから!」
鞄を手に持ち、ダッシュする。マンションの前の道をまっすぐ行ったところにドラッグストアがある。まだ夕暮れ時で完全には日が落ちていない。オレンジ色に染まった世界の中を走って店内に駆け込んだ。
まず体温計を探し出し、カゴに入れる。
「えっと、あと風邪薬とスポーツドリンクと……」
それとゼリーも!あ、風邪の時はビタミンCがいいとか聞いたことあるような……。
どんどんカゴの中身が増えていき、結局ビニール袋が両手にひとつずつ。
「か、買いすぎたかな」
走ってきた道を今度はよいしょよいしょと四苦八苦で帰る。
「朔、ただい……」
彼の部屋を開けたら、朔の大きな背中が見えた。ちょうど部屋着に着替えていたところだった。
「ご、ごめっ」
「いや」
慌てて出ていこうとしたら、朔がさっさとトレーナーを着た。着衣時にはわからない鍛えられた肉体が目の前にチカチカ浮かぶのを振り払って、私は袋の中を漁って、体温計を取り出した。
「ちょっと、朔、熱くない?」
「んぁ?別に」
「うそ、おでこ熱いよ!」
彼の顔を手で挟んでぐいっとこちらに向ける。朔の目がどことなくとろんとしているのは、熱からくる倦怠感のせいだろう。
「と、とにかく早く寝て!早々に寝て!」
「大声で二回言わなくても」
慌てて朔の手を引いて彼の部屋へ連れていく。初めて入る彼の部屋。ベッドがあって、奥にデスクと本棚がある。モノトーンで纏められた、シンプルな部屋。朔らしい。昔の彼の部屋とどことなくイメージが被った。
「体温計は?」
「ない」
「ない!?」
朔がこくりと頷く。そうか、男の一人暮らしだと、体温計なんて買わないかもしれない。それならばと私はくるりと身を翻した。
「私、ちょっと買ってくる!」
「いいよ。もう夜だし、寝てたら治る」
「すぐそこの薬局だから!」
鞄を手に持ち、ダッシュする。マンションの前の道をまっすぐ行ったところにドラッグストアがある。まだ夕暮れ時で完全には日が落ちていない。オレンジ色に染まった世界の中を走って店内に駆け込んだ。
まず体温計を探し出し、カゴに入れる。
「えっと、あと風邪薬とスポーツドリンクと……」
それとゼリーも!あ、風邪の時はビタミンCがいいとか聞いたことあるような……。
どんどんカゴの中身が増えていき、結局ビニール袋が両手にひとつずつ。
「か、買いすぎたかな」
走ってきた道を今度はよいしょよいしょと四苦八苦で帰る。
「朔、ただい……」
彼の部屋を開けたら、朔の大きな背中が見えた。ちょうど部屋着に着替えていたところだった。
「ご、ごめっ」
「いや」
慌てて出ていこうとしたら、朔がさっさとトレーナーを着た。着衣時にはわからない鍛えられた肉体が目の前にチカチカ浮かぶのを振り払って、私は袋の中を漁って、体温計を取り出した。