客観的恋愛曖昧論〜旅先の出会いは、運命の出会いでした〜
「あまりときめかなくなっちゃった?」
「なんかさ……好きの基準がわからないんだよねぇ。素敵だなっていうのと、好きは違うでしょ?」
「でも素敵だな、から始まるのが恋じゃない?」
「そしたら芸能人に素敵って思ったら恋? 違うよね」
すると彩花は少し納得がいかない様子を見せた。
「京子ちゃん、私に三回デートしてみろって言ったじゃない。京子ちゃんもしてみたら?」
「そもそも告白してないし。デートする理由がない」
まぁまぁと彩花を宥めながら、美玲は京子を見る。
「今はきっと気持ちに向き合う時間なんだよ。自分の気持ちに自信がないのに、踏み出すことは出来ないじゃない?」
「そうだね。この人だって思うタイミングって人それぞれだし。あとホルモンバランスでマイナス思考になる時ってない?」
「ある! もう全てが投げやりになる」
「……確かにそうね。ごめん、取り乱した」
「ううん、平気。私もいつか『この人じゃなきゃ』っていう気持ちになる日が来るのかなぁ」
二葉はふと真梨子のことを思い出す。彼女の悲しみに触れてしまったからこそ、軽はずみなことを言えず、グッと言葉を飲み込んだ。