俺様石油王に懐かれて秘密の出産したら執着されてまるごと溺愛されちゃいました
ポヤポヤしている私に、も一つプレゼントがあるんだ、と、アミールは照明を落とした。
「おいで」
アミールに手を引かれて、隣の部屋のドアを潜ると、瞬間、目に広がる眩い煌めきに息が詰まる。
「…… 綺麗…… 」
ガラス張りのベッドルームから一面に覗いた、まるで宝石箱をひっくり返した様なキラキラと色とりどりに輝く幻想的な、夜景にフワフワとする。
まるで、光の粒の中に落とされたようで、前後の感覚がわからなくなる。
素敵なサプライズを貰い、お礼を言いたいのに、言葉が続かない。
思わず、ポロッと涙が溢れてしまった。
「一花?」
アミールは、私の様子に心配そうに覗き込む。
「…… ごめんなさい。 こんな素敵なプレゼント貰ったの生まれて初めてで、感動しちゃった。 アミールは今日だけで、どれだけの初めてを私にくれるの」
夢のような時間をありがとう。 彼の青い瞳を見つめて微笑んだ。
「ここにも宝石があるのね」
お礼よ、と、爪先で立ちになると思い切って自分から唇に、チュッと軽くキスをした。
「……一花、そんな可愛い事を言って、お前こそ俺をどうするつもりだ」
憂を帯びた熱い瞳で見つめると、私の顎をクイっと上げ、無理矢理視線を絡めとると、もう片方の指で唇をツーッっとなぞった。
ビクッとして、目を見開く私に、フッと優しく微笑むと、そのまま顔を近づけ、唇をそっと重ねてきた。