俺様石油王に懐かれて秘密の出産したら執着されてまるごと溺愛されちゃいました
眉を顰め、不機嫌そうにそう言い放つアミールに、悲しくなる。
「…… 一夫多妻の国だって聞いたわ。 私の国は、唯一の愛する人だけと、一緒になるの。 あなたが、もし、私以外をまた愛した時、その人に、今と同じ言葉を告げるのでしょう。 私は、私だけを見てくれる人が良い。 他の人を愛する人と一緒にいなきゃいけないなんて、辛すぎる…… 」
喉の奥がヒリついて苦しくなる。
大好きな人に、愛する人に捨てられるなんて、そんな思いもう二度と味わいたくない。
「何の問題もない。一夫多妻なんて、関係ない!」
アミールは私の腰を抱くと、膝の裏に手を入れ、抱き上げた。
「キャッ…… 」
驚いて思わず、アミールの首に手を回す。
宝物を置く様に、フワリッとベッドへ下ろされた。
アミールは膝をつき、上から私を見下ろすと、青い瞳をギラギラさせ、情慾を露わにする。
「一花が欲しい」
堀の深い、整い過ぎた顔に甘い笑みを浮かべ、私の頬に、かかっていた髪を掬うと、チュッっと口づけた。
(ダメ……、ダメだ、この男は危険だ)
頭の中で警告音が鳴り響くのに、心が言う事を聞かない。
ストレートな告白に、酔いも手伝いクラクラッと、誘惑される。
(…… 好きな人に、こんなに求められて、抗う事なんて出来ない…… )