俺様石油王に懐かれて秘密の出産したら執着されてまるごと溺愛されちゃいました
 退院後、一花と俺が所有する、ホテルのスイートルームで待ち合わせをした。

 事前に一花に似合いそうなワンピースと、ジュエリーを送った。

 ジュエリーは、コッソリ、俺の瞳の青色をチョイスした。 いつでも俺の事を、身に纏って思い出して欲しいからな。


 一花と約束した時間、商談の時よりも緊張しながら、部屋で待った。

 コツコツと靴音がした。
フーッと息をゆっくり吐いてドアが開くのを待った。

…… 待った。

だが、しかし……

いつまで待ってもドアは開かない。

「…… 一花? 」

 待ちきれなくなって、思わずドアを開けて、俺は息をするのを忘れて、目の前の女神に見惚れた。

「わ、わっ!! 」

 すまない、いきなり開けて驚かせたな。

 久しぶりに会った一花は、目を見開き、小さな赤い唇を大きく開けて俺を見ていた。

(…… 可愛いが過ぎる!!! )

 グウウウゥゥーッ!

 抱きしめて、今すぐキスしたいと、湧き上がる熱い高揚をグッと呑み込んで、手を出して中へエスコートする。

 俺は、思春期の男みたいに、余裕がない。

 落ち着く為にワインを何杯もあおる。

 フワフワと夢心地になって、ベッドルームの夜景を一花に見せたいと、パチンとルームライトを落とした。


「……綺麗…… 」

 一花がキラキラと瞳を輝やかせて、夜景を見ている。

 その一花を俺は見つめる。

(お前の方が綺麗だ…… )

 大声で叫びたい。


 一花の瞳から、不意に涙が一筋頬を伝った。

「こんな素敵なプレゼント初めてで…… 嬉しくて胸が一杯になっちゃった 」

 恥ずかしいがってはにかむ姿が堪らない。

(なんて、なんて可愛い事を言うんだ!! こんな、1円もかけていない、夜景を喜ぶなんて! 心が綺麗過ぎる…… )


 それからの俺は、もう自分を抑える事が出来なかった。

 顎を上げさせ、チュッとキスを落とす。

 一つ、また一つとキスをするたびに、頬が赤く染まって、色気が増す。

 

 一花は、アイシャの事をやけに気にしていたが、カミールが手を回したから、何の問題もない。 まあ、最初から、興味もないから、問題外だが。

「…… アミールの国は、一夫多妻と聞きました。 やっぱり、何人も奥さんがいるのが普通なんですか? 」

「まあ、そうだな、一定層そういう人はいるな」

 一花から、結婚について聞かれたが、お前以外に、全く興味はない。 心配しなくても、お前だけをデロデロに甘やかしてやるからな。 覚悟しておけよ!

 そうして、やっと、やっと、一花の肌に触れる事が出来た。

 真っ白な身体に、キスをして赤い印を何度もつける。

 花が散って、俺の物だと主張する。

 独占欲丸出しで、我ながら呆れるが、涙を滲ませ、大きなまあるい瞳で見つめられると、どうにも、庇護欲を掻き立てられて止まらない。

「ここに触れたのは何人だ? 」

(一花の、可愛らしい反応を見ればわかるのに、確かめたくてわざと口にする。  俺、重症だな…… )

 フッと自笑する。

 柔らかい、二つの胸に触れ、俺の掌でフニって形を変えるのが嬉しくて、何度も愛撫する。

「俺を感じて?」

 耳元で囁き、彼女に挿る。

「……あっ 」

 甘く、小さく喘ぐ一花の声が心地よい。

 ああ…… 閉じ込めて誰の目にも触れさせたくない。

 俺の女神…… 好きだ……。

 彼女を手に入れた幸せを、噛み締めながら眠りについた。
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