黒子ちゃんは今日も八重樫君に溺愛されて困ってます〜御曹司バージョン〜
「予定があります」
「じゃあ予定教えて」
もちろん予定なんかない。
適当に答えよう。どんな嘘をつけば納得してくれるだろうか。
「予定ないんでしょ。行かないなら秘密をみんなに」
脅してきた! そして私の嘘を見破っている。
「俺、こっちに友達いないし、あの映画見た人と行きたい」
「映画見た人探します!」
「ダメ。初めての人だと楽しめない」
確かにそうだ。私も同じ映画を見たからといってプライベートで遊んだこともない人と遠出する気は起きない。
「同じ部署の人なら」
「ダメ。俺こう見えて人見知り」
どの口が言う。
部署の人達とは何不自由のないコミュニケーション力を発揮しているではないか。
仕事とプライベートは違うとでも言い訳するのか?
「諦めて下さい」
「親も友達もいなくて毎日寂しい思いをしている可愛い後輩の望みを叶えてあげようとか無いの?」
「友達作ってください」
「分かった。じゃあ秘密をみんなに」
壁から手を離して背中を丸めて給湯室の出口に向かった八重樫君の裾を掴んだ。
秘密をばらされるという事は私がプライベートで八重樫君と会っていたこともバレてしまうという事であり、つまりは目撃された映画館の女が私だとバレてしまうという事だ。
イタイ女性かつ嘘をついて八重樫君と遊んでいたなんて知られたら私のこれからはどうなってしまうのだろうか。
「分かりました」
敗北です。
二条双葉選手、今回もまた、強敵八重樫選手に敗れてしまいました! カンカンカン
もうこうなったら八重樫君のペースに巻き込まれないように自分を律するしかない。
帰宅後、郁美に頼んでおいたおじさまヒーローの女性向け漫画厳選リストから自分に合いそうなものを選び、熟読していく。
さすが郁美。選定さえも神レベル。
鎌倉に行く日には、おじさまの世界にどっぷりとハマっていた。
これで準備万端。
待ち合わせの駅に着くと集合時間5分前なのに既に八重樫君がいた。
「おはようございます。早いですね」
「女性を待たせるのはダメでしょう。今日はお姉さんって感じだね」
さすが海外経験者だ。紳士的な発言な上に私のファッションも褒める。
ん? ちょっと待てよ。それは褒め言葉なの? それとも老けて見えると言っている?
私の疑問をよそに、八重樫君は私の手を掴み、改札とは逆のロータリーに出た。
「乗って」
そう言われたのは運転手がドアを開けている黒塗りの車だった。
「これ……」
「早く、早く。他の車に迷惑だからさ」
押し込まれて車の後部座席に座ると、八重樫君が乗った後に運転手が車の扉を閉じた。
待って、もしかして今日この日のために車までチャーターしたの?
確かに電車混んでそうだけど、ちょっとやりすぎじゃ無いか?
それに毎回タクシーで帰らせてくれるけど、営業ってそんなに給料高いのか?
「はい、ラテ」
「あ、ありがとう」
至れり尽くせりだ。
「あの、八重樫君って……」
「ん? そんな事より今日行く場所なんだけど」
あれだけ八重樫君のペースに呑まれまいとしていたのに、私、どんだけチョロいの?
「じゃあ予定教えて」
もちろん予定なんかない。
適当に答えよう。どんな嘘をつけば納得してくれるだろうか。
「予定ないんでしょ。行かないなら秘密をみんなに」
脅してきた! そして私の嘘を見破っている。
「俺、こっちに友達いないし、あの映画見た人と行きたい」
「映画見た人探します!」
「ダメ。初めての人だと楽しめない」
確かにそうだ。私も同じ映画を見たからといってプライベートで遊んだこともない人と遠出する気は起きない。
「同じ部署の人なら」
「ダメ。俺こう見えて人見知り」
どの口が言う。
部署の人達とは何不自由のないコミュニケーション力を発揮しているではないか。
仕事とプライベートは違うとでも言い訳するのか?
「諦めて下さい」
「親も友達もいなくて毎日寂しい思いをしている可愛い後輩の望みを叶えてあげようとか無いの?」
「友達作ってください」
「分かった。じゃあ秘密をみんなに」
壁から手を離して背中を丸めて給湯室の出口に向かった八重樫君の裾を掴んだ。
秘密をばらされるという事は私がプライベートで八重樫君と会っていたこともバレてしまうという事であり、つまりは目撃された映画館の女が私だとバレてしまうという事だ。
イタイ女性かつ嘘をついて八重樫君と遊んでいたなんて知られたら私のこれからはどうなってしまうのだろうか。
「分かりました」
敗北です。
二条双葉選手、今回もまた、強敵八重樫選手に敗れてしまいました! カンカンカン
もうこうなったら八重樫君のペースに巻き込まれないように自分を律するしかない。
帰宅後、郁美に頼んでおいたおじさまヒーローの女性向け漫画厳選リストから自分に合いそうなものを選び、熟読していく。
さすが郁美。選定さえも神レベル。
鎌倉に行く日には、おじさまの世界にどっぷりとハマっていた。
これで準備万端。
待ち合わせの駅に着くと集合時間5分前なのに既に八重樫君がいた。
「おはようございます。早いですね」
「女性を待たせるのはダメでしょう。今日はお姉さんって感じだね」
さすが海外経験者だ。紳士的な発言な上に私のファッションも褒める。
ん? ちょっと待てよ。それは褒め言葉なの? それとも老けて見えると言っている?
私の疑問をよそに、八重樫君は私の手を掴み、改札とは逆のロータリーに出た。
「乗って」
そう言われたのは運転手がドアを開けている黒塗りの車だった。
「これ……」
「早く、早く。他の車に迷惑だからさ」
押し込まれて車の後部座席に座ると、八重樫君が乗った後に運転手が車の扉を閉じた。
待って、もしかして今日この日のために車までチャーターしたの?
確かに電車混んでそうだけど、ちょっとやりすぎじゃ無いか?
それに毎回タクシーで帰らせてくれるけど、営業ってそんなに給料高いのか?
「はい、ラテ」
「あ、ありがとう」
至れり尽くせりだ。
「あの、八重樫君って……」
「ん? そんな事より今日行く場所なんだけど」
あれだけ八重樫君のペースに呑まれまいとしていたのに、私、どんだけチョロいの?