黒子ちゃんは今日も八重樫君に溺愛されて困ってます〜御曹司バージョン〜
私は貰った御守りを早速スマホケースのストラップホルダーに取り付けた。
光に当てるとキラキラ光り、とても可愛い。
「可愛い」
「うん、キラキラ光って可愛いね。八重樫君、ありがとう」
何年振りだろう。心の底から嬉しくて出たありがとう。
一つ大切な想い出が出来てしまった。
それから私達は次の目的地に移動するために神社を出た。
キラキラした目で街並みを見ている八重樫君はすでに道を把握しているらしく迷わず映画で使われたカフェに到着した。
「ここも混んでるね」と八重樫君が残念そうに言った。
カフェは満席で座席待ちに長蛇の列ができている。
「そうだね。でも、今日は天気もいいし、テイクアウトして外で食べるのもいいかもね」
テイクアウトは空いていたのですぐに購入することができ、私達は歩きながらバケットサンドを食べ、鎌倉の街並みを楽しんだ。
「ここはこのくらいでいっか。次は江ノ島だね」
八重樫君はそう言うとスマホを取り出し電話をした。
まもなく車が到着し、江ノ島へ続く橋の前まで乗せてもらった。
「すっげー! 映画みたい」と言ってはしゃぐ八重樫君が微笑ましく思えるのは使い道のない母性本能のせいだろうか。
橋から海を見下ろしたり鳥を追いかけようとしたり、なんだか本当に高校生の男子とデートに来たような気がしてしまう。
ダメだ。ダメだ。彼のペースに巻き込まれて映画のヒロイン気取って恋に落ちるなんて過ちをしてはいけない。
自分を律しながら坂道を上がっていく。
はしゃぐ八重樫君を目に入れると心が揺らぎそうなので私は下を見ながら歩いていた。
すると上から走って降りてきた女子高生に肩をぶつけられ、バランスを崩した。
「うわぁっ」
きゃっとは言わない歳になった。
このくらいでぐらつくほど体幹のない大人になった。
でも、このくらい何とかバランスを整えて自分で立ち直るくらいには強くなった。
大人とはそういうものだ。
大人でも可愛い子だったらきっと八重樫君の腕を掴んで助けてもらうだろう。
後ろに倒れそうになりながら掴みたくても掴めない八重樫君の腕を見つめ足を大きく後ろに引いた。
すると「大丈夫?」と言って八重樫君の腕が私に向かって伸びできて私の腰に回された。
「危なかったね」
「あ、あの、ありがとう」
恥ずかしくなるほど密着した体勢に私は動揺を隠しきれなかった。
笑顔の八重樫君は私の体勢を整えるとそのまま私の手を取り歩き始めた。
繋いだ手を離してはくれない。
自分では掴みにいけなくても、掴まれると頼ってしまいたくなる。
でも大丈夫。だって私は枯れ専なのだから。
私は枯れ専、私は枯れ専と心の中で唱えた。
「これ、食べたい」
八重樫君は可愛い笑顔を私に向けながら言うと、匂いに釣られて列に並んだ。
「私は枯れ専、私は枯れ専」
「カレセン? 枯れた煎餅? それってどれ?」
おっと心の声が……そして並んだのは偶然にもお煎餅屋さんではないですか。
「えっと、煎、煎……そう、ぬれ煎、ぬれ煎」
「あーぬれ煎ね」
お婆ちゃんチョイスになってしまった。
光に当てるとキラキラ光り、とても可愛い。
「可愛い」
「うん、キラキラ光って可愛いね。八重樫君、ありがとう」
何年振りだろう。心の底から嬉しくて出たありがとう。
一つ大切な想い出が出来てしまった。
それから私達は次の目的地に移動するために神社を出た。
キラキラした目で街並みを見ている八重樫君はすでに道を把握しているらしく迷わず映画で使われたカフェに到着した。
「ここも混んでるね」と八重樫君が残念そうに言った。
カフェは満席で座席待ちに長蛇の列ができている。
「そうだね。でも、今日は天気もいいし、テイクアウトして外で食べるのもいいかもね」
テイクアウトは空いていたのですぐに購入することができ、私達は歩きながらバケットサンドを食べ、鎌倉の街並みを楽しんだ。
「ここはこのくらいでいっか。次は江ノ島だね」
八重樫君はそう言うとスマホを取り出し電話をした。
まもなく車が到着し、江ノ島へ続く橋の前まで乗せてもらった。
「すっげー! 映画みたい」と言ってはしゃぐ八重樫君が微笑ましく思えるのは使い道のない母性本能のせいだろうか。
橋から海を見下ろしたり鳥を追いかけようとしたり、なんだか本当に高校生の男子とデートに来たような気がしてしまう。
ダメだ。ダメだ。彼のペースに巻き込まれて映画のヒロイン気取って恋に落ちるなんて過ちをしてはいけない。
自分を律しながら坂道を上がっていく。
はしゃぐ八重樫君を目に入れると心が揺らぎそうなので私は下を見ながら歩いていた。
すると上から走って降りてきた女子高生に肩をぶつけられ、バランスを崩した。
「うわぁっ」
きゃっとは言わない歳になった。
このくらいでぐらつくほど体幹のない大人になった。
でも、このくらい何とかバランスを整えて自分で立ち直るくらいには強くなった。
大人とはそういうものだ。
大人でも可愛い子だったらきっと八重樫君の腕を掴んで助けてもらうだろう。
後ろに倒れそうになりながら掴みたくても掴めない八重樫君の腕を見つめ足を大きく後ろに引いた。
すると「大丈夫?」と言って八重樫君の腕が私に向かって伸びできて私の腰に回された。
「危なかったね」
「あ、あの、ありがとう」
恥ずかしくなるほど密着した体勢に私は動揺を隠しきれなかった。
笑顔の八重樫君は私の体勢を整えるとそのまま私の手を取り歩き始めた。
繋いだ手を離してはくれない。
自分では掴みにいけなくても、掴まれると頼ってしまいたくなる。
でも大丈夫。だって私は枯れ専なのだから。
私は枯れ専、私は枯れ専と心の中で唱えた。
「これ、食べたい」
八重樫君は可愛い笑顔を私に向けながら言うと、匂いに釣られて列に並んだ。
「私は枯れ専、私は枯れ専」
「カレセン? 枯れた煎餅? それってどれ?」
おっと心の声が……そして並んだのは偶然にもお煎餅屋さんではないですか。
「えっと、煎、煎……そう、ぬれ煎、ぬれ煎」
「あーぬれ煎ね」
お婆ちゃんチョイスになってしまった。