黒子ちゃんは今日も八重樫君に溺愛されて困ってます〜御曹司バージョン〜
「どれだけ欲求不満なの?」
八重樫君はそう言うと、必ずお仕置きなるキスをしてくる。
もちろんキス以上はしてこないが、それはそれでこちらが逆に悶々としてしまう。
いや、失言だ。モヤモヤとしてしまう。
今もお仕置きのキスの真っ最中だ。
濃厚さは日に日に増していく。もう少しで落ちてしまいそうになったところでキスから解放された。
「双葉が良かったらなんだけど、本当にここに住まない?」
お仕置きのキスの後に突然言われた。
住んでいる家はそのまま借りていて、家賃は払い続けている。
それもこれも、そのうち八重樫君が飽きるだろうと思っていたからだ。
「ちゃんと一緒に住みたいんだ。家賃はタダ。いいでしょ?」
八重樫君は床に座り、押し倒されたままの姿勢の私に尋ねてきた。
帰りもしないあの部屋に何万円も払うのは確かに勿体無いし、家賃がなくなるのは助かる。
「でも」
「でもも何も最初からそういう約束だよね? 俺と一緒に住むって条件だったじゃん」
「だから住んでる」
「双葉に帰る家があるってのが嫌なの。俺を信じて、覚悟決めて」
覚悟と言われても。
リスク回避するのが大人というものだ。
「俺、危害ないし、家事だってできるでしょ」
「危害ね……お仕置きさえなければ素直に頷けるんだけどな」
「それは双葉が悪いから仕方ない」
「なんで私が悪いの」
「そういうところだよね。とりあえずOKってことでいい? 」
誰もOKとは言ってない。
だが、残業して疲れて帰って来た時に笑顔で出迎えてくれる人がいるというこの幸せ。
一人暮らしに慣れていた頃には分からなかったが、とても心が癒される。
無くなってしまうと喪失感もあるのだろう。
「これまで通りの生活で、もし何か理由があって出て行かなきゃいけなくなった時、引越し費用負担お願いできる?」
「もちろん。そんな事ないけど、お安い御用だ」
八重樫君にとっては本当に安い相談な気がする。
それが分かっていて言った私はきっと人恋しかったんだと思う。
一生一人でいいなんて思いながらも温かな人に触れるともう少しだけその温もりに包まれていたいと欲を出してしまった。
八重樫君ぎ飽きるまでと自分に言い聞かせながら八重樫君の提案になる事にした。
八重樫君は引っ越し業者を手配し、私の必要な物を運び入れた。
ベッドは新調してくれて、古くなった家電はこれを機に捨てた。
逃げ道があるようでなくなった今、私はどう八重樫君と向き合うべきか。
「はい、これ」
夕飯が終わると八重樫君は書類を私に差し出した。
「えっと、これって……」
私が恐る恐る尋ねてみると八重樫君は当たり前かのように「転居届」とさらりと口にした。
八重樫君はそう言うと、必ずお仕置きなるキスをしてくる。
もちろんキス以上はしてこないが、それはそれでこちらが逆に悶々としてしまう。
いや、失言だ。モヤモヤとしてしまう。
今もお仕置きのキスの真っ最中だ。
濃厚さは日に日に増していく。もう少しで落ちてしまいそうになったところでキスから解放された。
「双葉が良かったらなんだけど、本当にここに住まない?」
お仕置きのキスの後に突然言われた。
住んでいる家はそのまま借りていて、家賃は払い続けている。
それもこれも、そのうち八重樫君が飽きるだろうと思っていたからだ。
「ちゃんと一緒に住みたいんだ。家賃はタダ。いいでしょ?」
八重樫君は床に座り、押し倒されたままの姿勢の私に尋ねてきた。
帰りもしないあの部屋に何万円も払うのは確かに勿体無いし、家賃がなくなるのは助かる。
「でも」
「でもも何も最初からそういう約束だよね? 俺と一緒に住むって条件だったじゃん」
「だから住んでる」
「双葉に帰る家があるってのが嫌なの。俺を信じて、覚悟決めて」
覚悟と言われても。
リスク回避するのが大人というものだ。
「俺、危害ないし、家事だってできるでしょ」
「危害ね……お仕置きさえなければ素直に頷けるんだけどな」
「それは双葉が悪いから仕方ない」
「なんで私が悪いの」
「そういうところだよね。とりあえずOKってことでいい? 」
誰もOKとは言ってない。
だが、残業して疲れて帰って来た時に笑顔で出迎えてくれる人がいるというこの幸せ。
一人暮らしに慣れていた頃には分からなかったが、とても心が癒される。
無くなってしまうと喪失感もあるのだろう。
「これまで通りの生活で、もし何か理由があって出て行かなきゃいけなくなった時、引越し費用負担お願いできる?」
「もちろん。そんな事ないけど、お安い御用だ」
八重樫君にとっては本当に安い相談な気がする。
それが分かっていて言った私はきっと人恋しかったんだと思う。
一生一人でいいなんて思いながらも温かな人に触れるともう少しだけその温もりに包まれていたいと欲を出してしまった。
八重樫君ぎ飽きるまでと自分に言い聞かせながら八重樫君の提案になる事にした。
八重樫君は引っ越し業者を手配し、私の必要な物を運び入れた。
ベッドは新調してくれて、古くなった家電はこれを機に捨てた。
逃げ道があるようでなくなった今、私はどう八重樫君と向き合うべきか。
「はい、これ」
夕飯が終わると八重樫君は書類を私に差し出した。
「えっと、これって……」
私が恐る恐る尋ねてみると八重樫君は当たり前かのように「転居届」とさらりと口にした。