黒子ちゃんは今日も八重樫君に溺愛されて困ってます〜御曹司バージョン〜
「「愛したあなたと送る人生」」
まさかの一致。
「あのラストシーン。衝撃的だったよな。俺、学校帰りに毎日観に行って、ラスト分かってるのに何度も泣いたもん」
あの映画が日本で公開されていた時、私は社会人になったばかりだった。
当時付き合っていた彼と観に行ったが、彼は全く感動していなかった。
それだけでなく、彼は戦時中ならと夢も希望もない話を永遠に聞かされた。
でも私はあの映画が大好きだった。
何度も一人でこっそり映画を観に行っては涙を流した。
こんな優しい笑顔をする八重樫君と観ていたら、初めて観たあの瞬間の感動は一層良いものになっていたに違いない。
「一途な愛。いいよね」
私は独り言のようにボソッとつぶやいた。
「二条さんはロマンチストだね」
「そうですか? でも凄いですね。あんなマイナーな作品観ているなんて、本当に映画好きなんですね」
「まぁね。海外で友達がいなかった時、英語の勉強も兼ねていつも映画館通ってたから」
八重樫君は親の仕事の都合で高校生の頃、海外に移住し、そのままあっちの大学を卒業している。
卒業後、暫く世界を放浪し、日本で働きたいと帰国。
そして何故か英語が堪能にも関わらず、うちの会社の国内営業部の採用面接を受けに来たらしい。
会社としては海外営業部を勧めたが、まずは国内で日本の社会を勉強したいと言ったらしい。
全て仕事中に女性社員がしていた雑談からの情報なので本当かどうかは不明だ。
「この映画館来るようになって、土曜のあの時間に行くといつも同じような席に同じ娘がいるなって思ってたんだよね。何か映画の趣味合いそうだなって。それが二条さんだったんだ」
まさか、自分の知らないところで知られていたとは。
「じゃあ、すぐに私の事、気付いたんですか?」
「いや、全然。でも時々、髪をかけあげる仕草や考えている姿や困った表情が、どうも映画のシーンに合わせて表情コロコロ変えるあの娘と似ているなって思ってさ」
映画館では映画を観ましょう。
「ワイン持っていって、近くで顔見てたら、やっぱりあの娘じゃないかなって。恥ずかしそうな表情もそっくりだった」
あの笑顔にはそんな意味が……。
「でも今日声かける時は緊張したよ。万が一、人違いだったらどうしようかなって。まぁ、人違いでもこんな可愛い娘ならいっかくらいだったけどね」
か、か、可愛い?
「あはは、また赤くなった」
八重樫君は顔を緩ませてそう言いながらテーブルの下で私の足に彼の足を絡めてきた。
「ちょ、ちょ、ちょっと」
「どうしたの? これくらいは序の口でしょ」
無理、漫画で読み慣れていても、現実で男性にこんなことされた記憶はない!
「今日はこのくらいにしておこっか。もうこんな時間だしね」
足は解放されカフェを出ると八重樫君はタクシーを止めた。
深夜タクシーとは贅沢だ。
「これに乗って帰って」
「大丈夫です。今ならギリギリ終電間に合うので」
「俺が心配なの。家の前まで乗って帰って。それとも俺が一緒に帰ろうか?」
それは夜道を一人で歩くよりも危険だと体が訴えている。
八重樫君はタクシー運転手にチケットのようなものを渡して私に悪戯な笑みを浮かべて「また来週」と頭を撫でるとドアを閉めた。
ここで降りようものなら八重樫君は家までついてくるだろう。
タクシー運転手に行き先を伝えると車は発車した。
八重樫君は姿が見えなくなるまで手を振ってくれた。
家に帰り、お風呂を沸かし、今日は穏やかな気持ちを取り戻すために桜の香りの入浴剤にした。
お風呂に入りながら考える。
今日は何が起きたのでしょうか。
八重樫君って一体何者?
何故足を絡めてきたんですか?
私はやっぱり八重樫君に遊ばれている?!
まさかの一致。
「あのラストシーン。衝撃的だったよな。俺、学校帰りに毎日観に行って、ラスト分かってるのに何度も泣いたもん」
あの映画が日本で公開されていた時、私は社会人になったばかりだった。
当時付き合っていた彼と観に行ったが、彼は全く感動していなかった。
それだけでなく、彼は戦時中ならと夢も希望もない話を永遠に聞かされた。
でも私はあの映画が大好きだった。
何度も一人でこっそり映画を観に行っては涙を流した。
こんな優しい笑顔をする八重樫君と観ていたら、初めて観たあの瞬間の感動は一層良いものになっていたに違いない。
「一途な愛。いいよね」
私は独り言のようにボソッとつぶやいた。
「二条さんはロマンチストだね」
「そうですか? でも凄いですね。あんなマイナーな作品観ているなんて、本当に映画好きなんですね」
「まぁね。海外で友達がいなかった時、英語の勉強も兼ねていつも映画館通ってたから」
八重樫君は親の仕事の都合で高校生の頃、海外に移住し、そのままあっちの大学を卒業している。
卒業後、暫く世界を放浪し、日本で働きたいと帰国。
そして何故か英語が堪能にも関わらず、うちの会社の国内営業部の採用面接を受けに来たらしい。
会社としては海外営業部を勧めたが、まずは国内で日本の社会を勉強したいと言ったらしい。
全て仕事中に女性社員がしていた雑談からの情報なので本当かどうかは不明だ。
「この映画館来るようになって、土曜のあの時間に行くといつも同じような席に同じ娘がいるなって思ってたんだよね。何か映画の趣味合いそうだなって。それが二条さんだったんだ」
まさか、自分の知らないところで知られていたとは。
「じゃあ、すぐに私の事、気付いたんですか?」
「いや、全然。でも時々、髪をかけあげる仕草や考えている姿や困った表情が、どうも映画のシーンに合わせて表情コロコロ変えるあの娘と似ているなって思ってさ」
映画館では映画を観ましょう。
「ワイン持っていって、近くで顔見てたら、やっぱりあの娘じゃないかなって。恥ずかしそうな表情もそっくりだった」
あの笑顔にはそんな意味が……。
「でも今日声かける時は緊張したよ。万が一、人違いだったらどうしようかなって。まぁ、人違いでもこんな可愛い娘ならいっかくらいだったけどね」
か、か、可愛い?
「あはは、また赤くなった」
八重樫君は顔を緩ませてそう言いながらテーブルの下で私の足に彼の足を絡めてきた。
「ちょ、ちょ、ちょっと」
「どうしたの? これくらいは序の口でしょ」
無理、漫画で読み慣れていても、現実で男性にこんなことされた記憶はない!
「今日はこのくらいにしておこっか。もうこんな時間だしね」
足は解放されカフェを出ると八重樫君はタクシーを止めた。
深夜タクシーとは贅沢だ。
「これに乗って帰って」
「大丈夫です。今ならギリギリ終電間に合うので」
「俺が心配なの。家の前まで乗って帰って。それとも俺が一緒に帰ろうか?」
それは夜道を一人で歩くよりも危険だと体が訴えている。
八重樫君はタクシー運転手にチケットのようなものを渡して私に悪戯な笑みを浮かべて「また来週」と頭を撫でるとドアを閉めた。
ここで降りようものなら八重樫君は家までついてくるだろう。
タクシー運転手に行き先を伝えると車は発車した。
八重樫君は姿が見えなくなるまで手を振ってくれた。
家に帰り、お風呂を沸かし、今日は穏やかな気持ちを取り戻すために桜の香りの入浴剤にした。
お風呂に入りながら考える。
今日は何が起きたのでしょうか。
八重樫君って一体何者?
何故足を絡めてきたんですか?
私はやっぱり八重樫君に遊ばれている?!