Gentle rain
「だって、階堂さんに今日会えると思ったら緊張しちゃって…あまり眠れてないから、目の下にクマとかできて……」

「どこに?」

スッと彼女の顎に右手を添えて、少しだけ上に上げる。

「階……堂……さん」

花火が上がる度に、彼女の瞳に俺が映っているのが、見える。

彼女との距離が、少しずつ少しずつ近づく。

そして大きな花火が上がった瞬間、俺達は唇を重ね合わせていた。


貪るようなくちづけ。

彼女の腕が、俺の背中に回ったのを合図に、二人でベッドに倒れ込んだ。

彼女の、チョコレートブラウンの髪の間から、白い首筋が見える。

自分のモノにしたい衝動を抑えきれなくて、その白い首筋に舌の先をなぞるように這わせた。

彼女の口元から洩れる甘い吐息。

もう彼女に溺れる準備は、できていた。

その言葉を聞くまでは。
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