Gentle rain
「そうか……美雨もそういう年頃になったのかと思ったのにな。」

「そういう年頃って?」


止せばいいのに、ムキになって兄さんをまた困らせた。

「……人を好きになって、相手と真剣に向き合う年頃だよ。」

そして、バカ正直に答える兄さん。

「美雨。俺は、美雨に人並みに恋愛をして、人並みに結婚して、人並みに幸せになってほしいんだ。」

「人並に?」

「ああ。」

人並みって何なんだろう。

「私、無理かもしれない。」

「どうして?」


人並みがわからない。

他の人はどんな恋愛をしているの?

どんな人と恋愛するの?


「なあ、美雨。本当は好きな男がいるんだろう?俺にはわかる。」

私は、顔をあげて兄さんを見た。

「いいんだ、片思いでも。いいんだよ、うまくいっていないくても。美雨が幸せなら、俺はそれでいいんだ。」
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