Gentle rain
「ショックで、引っ越すその前の晩の夜。兄は自ら命を絶ちました。」

「自殺!?」

あまりにもショッキングな内容で、俺は返す言葉もなかった。



『菜摘の付き合っていた男は、ロクな人間じゃなくてね。』

『元々、女関係にだらしない人だったんです。』



森川社長も菜摘さんも、相手の事はそう言っていた。


「三科君。お兄さんはモテる人だったかな。」

「急ですね。全くそんなイメージではないですよ。自分とは正反対。真面目で仕事人間で。」


真面目で仕事人間?

森川社長の話とは、イメージがかけ離れ過ぎている。


「だからあの女……森川菜摘と付き合い始めた時は、俺の運気は一生使い果たしたとか、言ってましたよ。俺はあの女を許せません。階堂さんがあの女と関係を持つと言うのなら、ご勝手にどうぞ。その変わり、あなたがどうなろうと俺は知りませんけどね。」
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