同居人は無口でクールな彼



忙しない数日を終えて、ついにお母さんのお友達の家にお世話になる土曜日がやってきた。


「いい?鈴香、ちゃんと言うことを聞くのよ?」

「お母さん、何度も言わなくてもわかってるよ」

「そうよね。普段から鈴香は良い子だものね」


午前中の新幹線でお父さんのところへ向かうことになっているお母さんと一緒に、朝9時にはお世話になる家の前に立っていた。

チャイムを鳴らすと勢いよく扉が開いて、少しソプラノ気味な元気な声が特徴の女性が現れた。



「友ちゃん!久しぶり~!近所に住んでるのに、最近は全然会ってなかったわね」

「優ちゃん、本当ね。今日から鈴香がお世話になります」

「いいのよ!旦那さん、大変だったわね。何日でもうちで預かるから遠慮しないで」

「ありがとう、本当に助かるわ。鈴香、ちゃんとあいさつしなさい」


お母さん同士で盛り上がっていたから、なかなか入っていきにくかったけれど、お母さんに前に出るように言われ、そっとお母さんの横に立った。





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