同居人は無口でクールな彼
「前にも言ったけど、友達はいらない」
「…………」
「それに、その灰谷とかいうヤツとは友達になれる気がしないし、絶対なりたくない」
「…………」
どうして、翔哉くんはこんなことを言うんだろう。
やっぱり、お節介焼きすぎたかもしれない。
また気まずい雰囲気が流れる。
でも、すぐに救世主が現れて、この空気を壊してくれた。
「ただいまー。あら、2人とも帰ってきてたのね」
仕事終わりのおばさんだった。
「おかえりなさい」
「鈴香ちゃん、翔哉の勉強見てくれてたの?ありがとうね。翔哉、いつも赤点ギリギリだから。本当空手バカで嫌になっちゃうわ」