同居人は無口でクールな彼
おばさんがいると、一気に賑やかになる。
わたしはその空気に安心した。
「うっせーな」
翔哉くんが、おばさんに聞こえないように呟いているのが、少しおかしかった。
「2人とも今日は焼きそばでいい?」
おばさんの質問に答えることなく、翔哉くんは次にやる数学のテキストを持ってこようとしていた。
でも、そのときに――
「いいよ」
とだけ、翔哉くんがつぶやいた。
きっと、今の“いいよ”は、わたしの質問に対するものだ。
“明日からみんなで勉強しない?”
“いいよ”