同居人は無口でクールな彼
篠原くんをもう一度見ると、少し不機嫌だった。
おばさんは歓迎してくれたけれど、篠原くんはそうでもないみたい。
それもそうだよね。
突然クラスメイトの女子、しかもわたしみたいな女子と一緒にクラスだなんて。
嫌がられて当然だ。
「鈴香ちゃんは嫌いなものはない?」
「特にはないです。このハンバーグとてもおいしいです」
「………」
お昼はおばさんと篠原くんとわたしで、おばさんお手製のハンバーグを食べた。
3人いるのに、会話をしているのはわたしとおばさんだけ。
篠原くんは一言も口を開かずに、ただ黙々とご飯を食べ続けていた。
その姿が怖く見えた。
やっぱりわたしが来たことを怒っているのかな。
ちらりと彼の方を見ると、一瞬だけ目が合った。
「ごめんね、鈴香ちゃん。翔哉ってば愛想のかけらもないから」
「あ、いえ……」